
加持が司令服を着たカヲルを「渚司令」と呼ぶシーンの意味がわからない…
と思う方が多いのではないでしょうか。
映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の中でも、特に難解なシーンですよね。
本記事では、そんな疑問を解決するために
- 渚カヲルと加持リョウジの関係
- いつカヲルは渚司令だったのか
- カヲルは何の組織の司令なのか
- 渚司令のシーンの意味
を考察していきます!
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『シン・エヴァ』渚司令(カヲル)と加持リョウジはどういう関係か


加持がカヲルを「渚司令」と呼んでいることから、2人は上司と部下の関係であると判断できます。
また、以下のように、少なくともカヲルは加持のことを友達のように思っているみたいです。
- 加持のことを「リョウちゃん」と呼ぶ
- 「渚司令」と呼ぶ加持に対して、「そろそろカヲルって呼んでよ」と言う
このように、2人は上司と部下という関係でありながら、かなり親しい関係でもあることがわかります。
ただ、これまでの新劇場版シリーズにおいて、まったくと言っていいほど2人には接点がなかったはずです。
それどころか『Q』の渚カヲルは、加持の意志に反する組織であるネルフにいます。
なので、親しげに会話していること自体に違和感があり、そもそも現在の世界での出来事かどうかも怪しいところです。



この違和感が今回の考察の重要なポイントになりそうだね!
『シン・エヴァ』いつカヲルは渚司令だったのか


それでは、いつカヲルが「渚司令」だったのかを考察していきます。
いつだったのかは、以下のように2パターンあるのではないでしょうか。
- 現在の世界における『破』と『Q』の間(空白の14年)
- 別の世界(ループする世界の中のいずれか)
現在の世界における『破』と『Q』の間(空白の14年)
まず、現在の世界でカヲルが「渚司令」だった場合についてです。
『破』では渚カヲルは月にいて、『Q』からは加持リョウジは亡くなっているため存在しません。
現在の世界で2人に接点があるとしたら、その間(空白の14年)くらいかと思います。
ここで、『Q』の渚カヲルはEVAパイロットとしてネルフにいるので、少し不自然と思う方もいるでしょう。
しかし、ネルフにいるとはいえ、彼はゲンドウの計画を阻止しようとしていました。
これは加持の目的と共通していると捉えることもできます。
加持の意志を尊重した結果、司令という立場を捨て、あえてネルフにいた可能性は十分にありそうですね。
別の世界(ループする世界の中のいずれか)
次に、別の世界でのことだった場合についてです。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で、世界は何度もループしていることが判明しました。



カヲルが言っていた「定められた円環の物語」だね!
なので、ループする世界の中のいずれかでカヲルが「渚司令」だったと考えることもできます。
少し強引な考え方ではありますが、このシーンは唐突すぎるため、別の世界での出来事という可能性も十分にあると思います。
このように、いつカヲルが「渚司令」だったのかに関しては、
- 現在の世界における『破』と『Q』の間(空白の14年)
- 別の世界(ループする世界の中のいずれか)
のどちらのパターンもあり得るのではないでしょうか。


『シン・エヴァ』渚カヲルは何の組織の司令なのか
カヲルが何の組織の司令官なのかに関しては、主に2つのパターンがあるのではないでしょうか。
- ネルフの司令
- ヴィレの司令
それでは、それぞれの組織の場合について考察していきます。
ネルフの司令
「渚司令」のシーンには、
- ネルフの総司令官公務室での会話
- カヲルがネルフの司令服を着ている
という特徴があります。
また、空白の14年を描いたとされる『破』のラストに流れた次回予告では、ネルフ関係者が幽閉され、カヲルが司令服らしきものを着ています。
これらのことから、空白の14年において、幽閉されたゲンドウの代理でカヲルがネルフの司令になったと考えることができます。
ただ、次回予告を信用していいのかという問題もありますし、ゲンドウ以外がネルフの司令というのは常識破りであるため、かなりの違和感が生まれてしまいます。
なので、カヲルが渚司令だったのは別の世界でのこと。つまり、ループする世界の中のいずれかで、ゲンドウではなくカヲルがネルフの司令だったこともあったという考え方もできそうですね。
ヴィレの司令
カヲルの目的は「シンジを幸せにすること」で、加持の目的は「補完計画で消えてしまう生命をこの世界に残すこと」です。
いずれもゲンドウの計画を阻止する必要があり、両者の利害は一致してます。
なので、ニアサー以降に2人は親しくなり、海洋研究所を基にヴィレを設立し、カヲルが司令になったと考えることができます。
海洋研究所での「渚とは海と陸のはざま…」の会話シーンからも、ヴィレの司令が連想されますね。
また、ヴィレは組織であるにも関わらず司令がいないことから、実はカヲルが司令だったという見方も。



あくまで葛城ミサトは艦長だね!
ほとんどが推測ではありますが、わりと自然な考え方かと思います。
実際、「渚司令」に対する意見や考察の中で、この”ヴィレの司令説”が一番多い印象です。
ただ、カヲルがネルフの司令服を着ていることや、ネルフの総司令官公務室で会話していることの説明がつかないという大きな欠点があります。
『シン・エヴァ』渚司令のシーンの意味とは


ここからは、渚司令のシーン自体にどのような意味があるのかについて考察していきます。
シンジがカヲルを救済
「渚司令」を含めたカヲルパートでは、シンジがカヲルを救済し、それを手助けしたのが加持との会話であると考えられます。
というのも、ループする世界のなかで、カヲルはシンジを幸せにしようと何度もトライしてきました。
マイナス宇宙での会話の中でシンジの成長を実感し、ようやくカヲルはシンジの幸せを誤解していたことに気付いたわけです。
そして、加持との会話に背中を押される形で、「もうシンジを幸せにしようとするのはやめよう」と決意したのだと思います。
シンジと同様に、加持もカヲルにとって大切な存在だったようですね。
最後のシャッターが下りる演出には、「ループから解放され救済された」という意味が込められているのではないでしょうか。
ちなみに、シンジがカヲルを救済するという流れは、旧劇場版『Air/まごころを、君に』とは逆になっており、ファンにとって胸熱ポイントだったりします。



まさかシンジが救済する側になるとは!


渚カヲルが生きてる=復活した?
カヲルに関して、『Q』で亡くなったはずなのに『シン・エヴァ』に登場したことから、復活したと思う方もいるでしょう。
ですが、復活したのではなく、第13号機の中の魂とシンジが対話しているだけと考えられます。
というのも、『Q』でカヲルが亡くなったのは第13号機のエントリープラグ内であり、魂はそこに残されたままだったと推測できるからです。
だからこそ、マイナス宇宙でシンジと対話ができたのでしょう。
マイナス宇宙では、LCLが知覚可能な仮想の世界を形成しているため、「第13号機の中の魂+仮想の肉体」で、あたかもカヲルが復活したように見えたわけですね。
ちなみに、使徒化したアスカが第13号機に取り込まれる(アスカが自分のオリジナルに引き込まれる)シーンにおいて、奥の方にカヲルが映っていることからも、第13号機の中にカヲルの魂が残されたままだったことが示唆されています。
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『シン・エヴァ』渚司令の答えは舞台挨拶にて判明
ここまで長いこと「渚司令」を考察してきましたが、実は明確な答えがあります。
それは、7月11日に新宿バルト9で開催された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のフィナーレ舞台挨拶にて、庵野監督の口から語られました。
シンエヴァのフィナーレ舞台挨拶、庵野監督から語られた空白の14年で、カヲルくんがなぜ司令服を着てたかの回答、ネルフでは破の後ゲンドウと冬月が失脚、その次の司令はカヲルくん、副司令に加治がなったと発言、本来Qはそれを映画にするつもりだった発言。恐らく初出話で正に衝撃の真実。#シンエヴァ pic.twitter.com/jD5BIstF9j
— てんげるまん🌀tengelmam (@fcbliebe1900) July 11, 2021
フィナーレ舞台挨拶で語られた「渚司令」に関する重要な点をまとめると、
- 空白の14年での出来事
- ゲンドウが失脚し、代わりにカヲルがネルフの司令になった
- 冬月も同様に失脚し、加持が副司令に
- 本来は『Q』で描かれる予定だった
となります。
みなさんの予想は当たっていましたでしょうか。
私は「別の世界の出来事で、そこではゲンドウではなくカヲルがネルフの司令だった」と予想していたので、大はずれでした!
ちなみに、本来は『破』のラストで流れた次回予告の通りに『Q』を作る予定だったが、シンジが一切出ないことになるため断念したそうです。
その結果、”空白の14年”が生まれてしまったわけですね。
『シン・エヴァ』判明した渚司令の正体を踏まえた上での考察


ここからは、舞台挨拶で判明した「空白の14年の間にカヲルがネルフの司令だった」ことを踏まえた上で、さまざまなことを考察していきます。
なぜカヲルが司令になったのか
初めに、「なぜカヲルがネルフの司令になったのか」について考えます。
まず結論ですが、ゼーレがカヲルにネルフの司令になるよう指示したからではないでしょうか。
『破』のラストでの「碇司令、ゼーレがだまっちゃいませんよ」という加持のセリフから、ゼーレはサードインパクトを起こそうとしたゲンドウに憤慨したであろうことがわかります。
なので、ゼーレがニアサー後にゲンドウと冬月を失脚させた可能性が高いです。
自分達の計画をゲンドウに阻止されるのではないかと危機感を覚え、ネルフを意のままに操るためにカヲルを司令にしたのではないでしょうか。
海洋研究所での2人の会話シーン
海洋研究所での2人の会話シーンについて考えていきます。
加持「渚とは海と陸のはざま。第1の使徒であり、第13の使徒となる、人類のはざまを紡ぐ、あなたらしい名前だ」
©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会 ©カラー シン・エヴァンゲリオン劇場版 より引用
カヲルと加持に親交があったのはネルフの司令と副司令の関係だったときなので、2人が会話できるのは空白の14年の間です。
しかし、カヲルが第1の使徒から第13の使徒に堕とされたのは『Q』の終盤であるため、時系列が合わないんですよね。


なので、「あらかじめ第13の使徒に堕とされることが決まっていた」、もしくは「初めから第13の使徒だった」のではないかという疑問が生まれてきます。
この疑問に関してですが、おそらくどちらとも間違いです。
というのも、このシーンを含めた『シン・エヴァ』でのカヲルパートの本質は「カヲルの救済」であり、そのためには、カヲルの心をケアする必要があります。
なので、加持のセリフは、ゲンドウの策略にハマり、不本意にも第13の使徒に堕とされてしまったことに対し、「あなたらしい名前だ」と言ってフォローすることで、カヲルの心をケアしたと考えられます。
『Q』の時点ですでに他界している加持が、『Q』の終盤の「第13の使徒に堕とされた」ことをフォローするためには、時系列のずれが発生してしまうのも仕方ないですね。
そのため、海洋研究所での2人の会話シーンは、実際に起こったことではなく、カヲルが救済されるためだけに用意された架空の出来事であると考えたほうが自然でしょう。
加持が運営していた農園の跡地での会話シーン
電柱や建物が倒壊している荒れ果てた場所にて、加持がカヲルに「老後は畑仕事でもどうです?」と言うシーンについてです。
直前に蛇口が映ることから、ジオフロントにある加持が運営していた農園の跡地であると判断できますが、実はほとんど同じシーンが『Q』にもあります。
蛇口が映った後、カヲルが長いこと立っているだけという謎のシーンで、『シン・エヴァ』との違いは加持がいるかいないかくらいです。
この「ほとんど同じシーンがある」ことと、「カヲルと加持がネルフの司令と副司令だった」ことから、わかることが2つあります。
まず1つ目は、この『シン・エヴァ』のシーンが実際の出来事ではないということです。
『シン・エヴァ』のシーンはカヲルと加持が一緒にいるのでサードインパクト前となりますが、『Q』のシーンはサードインパクト後です。
サードインパクトという大災害の前後で同じ風景というのはありえないでしょう。


なので、先ほどの海洋研究所と同様に、農園の跡地での会話シーンも実際の出来事ではなく、「カヲルの救済」のために用意された架空の出来事であると考えられます。
2つ目は、『Q』のカヲルは加持のことを思い出していた可能性が高いということです。
『Q』の時点では、「なぜカヲルは加持の農園の跡地に長いこと立っているのか」という疑問がありました。
ですが、同じ場所での加持との会話シーンが『シン・エヴァ』に出てきたことで、「加持のことを思い出していたのではないか」と推測できるようになりました。
そして、フィナーレ舞台挨拶にてカヲルと加持がネルフの司令と副司令だった、つまり、空白の14年の間に親交があったことが確定したことで、その可能性が高くなったわけですね。
考え過ぎかもしれませんが、わざわざ同じようなシーンを使っているところから、『Q』の謎を解明させてあげたいという製作陣の優しさを感じますね。
- 月額2,052円(税込)が初回30日間無料
- シン・エヴァの過去作のDVDや
サントラなどのCDがレンタルできる - ビデオフォーマット版もレンタル可
- ご自宅までお届け
- 無料期間中の解約であれば料金は発生しない
まとめ
今回は、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の「渚司令」を考察しました。
最後に内容をまとめます。
- 考察
- カヲルと加持は上司と部下でありながら、かなり親しい関係
- 空白の14年または別の世界での出来事
- カヲルはネルフまたはヴィレの司令
- シンジがカヲルを救済し、それを手助けしたのが加持との会話
- 答え
- 空白の14年での出来事
- 失脚したゲンドウの代わりにカヲルがネルフの司令に
- 同じく、冬月の代わりに加持が副司令に
- 本来は『Q』で描かれるはずだった
- 答えを踏まえた上での考察
- ゼーレがカヲルにネルフの司令になるよう指示した
- 海洋研究所での会話シーンは、カヲルの救済のために用意された架空の出来事
- 農園の跡地での会話シーンも、カヲルの救済のために用意された架空の出来事
- 『Q』の農園の跡地にいたカヲルは、加持のことを思い出していた可能性が高い
エヴァンゲリオンにはモヤモヤするシーンが多いですが、「渚司令」に限っては正式な答えがあって本当にスッキリしますね。
庵野監督には感謝です。
それにしても、空白の14年だけを描いた映画を作ってくれないですかね!
※本記事の情報は2021年11月10日時点のものです。 現在は特典や配信を終了している場合もありますので、最新の特典や配信の状況は各サービスの公式サイトにてご確認ください。
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